弁理士が教えるECモールのおける知財侵害品発見のコツ
[目次]
- ECモールにおける知財戦略
- ECモールの背景
- ECモールでの侵害品の流通状況
- ECモールでの侵害品を発見するためには1
- ECモールでの侵害品を発見するためには2
- ECモールでの販売されている商品が侵害かどうかの認定
- まとめ
- この記事へのお問い合わせ
1.ECモールにおける知財戦略
近年、知財戦略というと出願戦略もそうですが、侵害品の発見もその戦略の一つと考えております。一般消費者向けの商品を販売している会社とっては、ECモールでの知財戦略はとても重要視されております。
そこで、この記事では私が経験し効果的であった、内容の一部を記載しておきます。なお、この記事へのお問い合わせは文末にあるお問い合わせからお願い致します。
2.ECモールの背景
ECモールでは個人事業主から中小企業までもが比較的容易に出店許可を得ることができます。また、その仕入れは、インターネットなどを通じて容易できるようになっております。このため、個人でも容易にECモールで販売ができるようになってきております。
例えば、Amazonでは出品費用と販売手数料とを支払えばAmazonで商品を販売できるようになりますし、楽天では数万円の出店料とシステム利用料を支払えば出店できるようになります。このように個人でも、費用を払えば容易に出品できるようになります。
3.ECモールでの侵害品の流通状況
このようにECモールでは、個人でも簡単に出店できるようになり、仕入れた商品や自社オリジナル商品を販売できるようになりました。
しかしながら、その個人や中小企業は知的財産権の専門的な知識を有しておらず、その商品が他人の権利を侵害してしまっているとは気づかずに販売している可能性もあります。また自社でオリジナル製品を製作している場合についても、十分に知的財産の侵害予防調査をせずに製造販売していることもあります。
これに対して、小売店での販売では、小売店が商品を取り扱う際に、メーカーに対して知的財産権の調査をしているかどうかなどの聞き取り調査をすることがあります。そのため、メーカーは商品を納品する際、弁理士等の知的財産の専門家を通じて調査することになります。小売店の場合は、ECモールの場合よりほど侵害品が出回ることが少ないと思います(筆者の経験談)。
4.ECモールでの侵害品を発見するためには1
では、そうした侵害品の発見をそのためにはどうすればいいのでしょうか。小売店の場合は、実際に小売店まで足を運んで侵害品が売られているかどうかをチェックする必要があります。このようなチェックの際、例えば社内の営業担当者に自社の知的財産権の情報を共有しておいて営業担当者に侵害品を見つけてもらうように指示するのが良いかもしれません。
一方、ECモールでは、商品検索を利用して侵害品を見つけるしかありません。ただ、この侵害品発見には少々コツがいります。例えば、検索キーワードとしてどのようなものを入れるのが適切かを検討する必要があります。最近のECモールはとても優秀で、レコメンド機能というのがあります。ある商品を選択すると、その商品に似ている商品を提案してくれるという機能です。よく、「よく一緒に購入されている商品」「この商品に関連する商品」という記載を見たことがありませんか。この機能を使って類似の商品を探すことができます。
その他にはSNSインスタグラムなどを使って類似商品を探すやり方もあります。今SNSマーケティングというのは重要なマーケティングの一つとなっております。SNS一つで無名だった商品が多くのユーザーに認知されるようになり、商品がバカ売れするということもしばしばあります。商品を宣伝するのはSNSが重要不可欠になっているので、逆にこれを利用して、侵害品を探すという調査手法です。
5.ECモールでの侵害品を発見するためには2
ECモールでの侵害品を発見するためのコツはEC担当者への情報共有です。EC担当者はECモールに商品を掲載する作業をしていますから、ECモールの情報を一番見ているはずです。このため、EC担当者が作業中に侵害品を発見することもあり得ますので、そのEC担当者に知財に関する情報を共有するのが良いです。
もう一つは、取引先への情報共有です。ECモールへの商品掲載は取引先が行うこともありますので、取引先、取引先のEC担当者に知財に関する情報を共有するのが良いです。
6.ECモールでの販売されている商品が侵害かどうかの認定
ECモールのウェブサイトには画像か動画しか掲載されております。なので、商品の具体的な仕様がわからないため、侵害かどうかの判断がつかない場合があります。このような場合、一番は商品を実際に注文してみることです。私もよく経験しているのが、ウェブページに掲載された写真と実際の商品とが若干異なるということがあります。実際に商品を注文してみれば侵害かどうかの判断ができます。ただ、最終的には弁理士のような専門家に相談してみてそれが自社の特許権、意匠権、商標権を侵害しているかどうか判断をしてもらうのが良いです。
当事務所、知的財産事務所エボリクスでは、お客様に代わって、御社の知財財産権の内容を把握し、その知的財産権を侵害する侵害品の調査検討を行うサービスを提供しております。
詳しくはこちら→ Amazon知的財産権の侵害支援
7.まとめ
ECモールでの侵害品発見のコツ:
- ECモールの商品検索機能を使う
- レコメンド機能を使う
- SNSの検索機能を使う
- EC担当者への情報共有
- 取引先への情報共有
8.この記事へのお問い合わせ